自覚(読み)ジカク

  • self-consciousness

デジタル大辞泉の解説

[名](スル)
自分の置かれている位置・状態、また、自分の価値・能力などをはっきり知ること。「自覚が足りない」「体力の衰えを自覚する」
仏語。自ら迷いを断って悟りを開くこと。⇔覚他(かくた)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自分自身のあり方を反省し、自分が何であるかを明瞭(めいりょう)に意識にもたらすこと。自己意識、自己認識、自己反省などとほぼ同義であるが、「自覚」には仏教用語の転用からくる特有のニュアンスが付きまとう。ソクラテスが古代ギリシアの格言「汝(なんじ)自身を知れ」を自己の課題としたように、自覚は哲学にとって出発点でもあり目標でもあった。しかし自覚とは、自分が自分を知ることである以上、知る自分と知られる自分とは、区別されねばならないと同時に、同一の自分でもあり続けねばならない。ここに、自己の分裂と統一という反省にまつわるパラドックスが生ずる。

 わが国では西田幾多郎(きたろう)が「自覚の立場」を提唱して、この困難に挑んだ。彼によれば、主客未分の知るものと知られるものとが一つである直観的意識と、それを外側から眺める反省的意識とが内的に結合され、統一された状態、それが自覚の立場にほかならない。

[野家啓一]

『『自覚に於ける直観と反省』(『西田幾多郎全集 第2巻』所収・1950・岩波書店)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 仏語。三覚(さんかく)の一つ。自ら迷いを断って悟りをひらくこと。⇔覚他。〔性霊集‐七(835頃)〕
② 哲学、心理学で、自我や自分の行為を意識すること。自分のもっている知識が真理かどうかを反省し、吟味すること。自分をはっきりつかむこと。また、一般に、自分自身の置かれている状態や、能力、価値、使命などを認識すること。自己意識。〔哲学字彙(1881)〕 〔新唐書‐魏徴〕
③ 自分の知覚でとらえること。
※花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四〇「読む所の書、学ぶ所の事、又自覚(ジカク)する所の物、尽く朋友ならざるはなし」

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