自覚(読み)ジカク

デジタル大辞泉 「自覚」の意味・読み・例文・類語

じ‐かく【自覚】

[名](スル)
自分の置かれている位置状態、また、自分の価値能力などをはっきり知ること。「自覚が足りない」「体力の衰えを自覚する」
仏語。自ら迷いを断って悟りを開くこと。⇔覚他かくた
[類語]悟るわきまえる承知認識物分かり聞き分けわきまえ分別ふんべつ分かり分かる理解知る把握飲み込み学ぶ了知存知聞知合点了解納得早分かり早飲み込み早合点話せる

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精選版 日本国語大辞典 「自覚」の意味・読み・例文・類語

じ‐かく【自覚】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。三覚(さんかく)の一つ。自ら迷いを断って悟りをひらくこと。⇔覚他。〔性霊集‐七(835頃)〕
  3. 哲学心理学で、自我や自分の行為を意識すること。自分のもっている知識真理かどうかを反省し、吟味すること。自分をはっきりつかむこと。また、一般に、自分自身の置かれている状態や、能力、価値、使命などを認識すること。自己意識。〔哲学字彙(1881)〕 〔新唐書魏徴
  4. 自分の知覚でとらえること。
    1. [初出の実例]「読む所の書、学ぶ所の事、又自覚(ジカク)する所の物、尽く朋友ならざるはなし」(出典花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉四〇)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「自覚」の意味・わかりやすい解説

自覚
じかく
self-consciousness

自分自身のあり方を反省し、自分が何であるかを明瞭(めいりょう)に意識にもたらすこと。自己意識、自己認識、自己反省などとほぼ同義であるが、「自覚」には仏教用語の転用からくる特有のニュアンスが付きまとう。ソクラテスが古代ギリシアの格言「汝(なんじ)自身を知れ」を自己の課題としたように、自覚は哲学にとって出発点でもあり目標でもあった。しかし自覚とは、自分が自分を知ることである以上、知る自分と知られる自分とは、区別されねばならないと同時に、同一の自分でもあり続けねばならない。ここに、自己の分裂と統一という反省にまつわるパラドックスが生ずる。

 わが国では西田幾多郎(きたろう)が「自覚の立場」を提唱して、この困難に挑んだ。彼によれば、主客未分の知るものと知られるものとが一つである直観的意識と、それを外側から眺める反省的意識とが内的に結合され、統一された状態、それが自覚の立場にほかならない。

[野家啓一]

『『自覚に於ける直観と反省』(『西田幾多郎全集 第2巻』所収・1950・岩波書店)』

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普及版 字通 「自覚」の読み・字形・画数・意味

【自覚】じかく

自らさとる。唐・杜甫〔至後〕詩 開かんと欲(す)れども自ら覺えず 棣(ていがく)(兄弟)一別して、永く相ひ

字通「自」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自覚」の意味・わかりやすい解説

自覚
じかく

自意識」のページをご覧ください。

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