カフカス音楽(読み)カフカスおんがく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カフカス音楽」の意味・わかりやすい解説

カフカス音楽
カフカスおんがく

カフカス地方の音楽。カフカスは,南北の交通路にあたり,民族,言語,文化は複雑をきわめ,多種の音楽が栄えた。そのなかで代表的な民族の音楽をあげる。 (1) ジョージアグルジア)の音楽 すでに9世紀に教会音楽が普及。民謡は3部合唱が多く,さまざまな全音階を用い,終止形に特徴をもつ。 (2) アドイゲヤの音楽 民謡のなかで,男性独唱歌オレドが有名。全音階的旋法,2連符と3連符の交代を特徴とする。 (3) カバルダの音楽 古歌はレチタティーボ的で,M.バラキレフがカバルダの舞踊音楽の旋律を採用。 (4) アルメニアの音楽 シリア,ビザンチンの教会音楽の伝統を保ち,民俗音楽においてはトルコの音楽が移入された特異な存在。さらに近代には A.ハチャトゥリアンら多くの作曲家が輩出。 (5) アゼルバイジャンの音楽 古くから音楽理論が発達,多くの伝承曲が残っている。

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