南北(読み)なんぼく

精選版 日本国語大辞典 「南北」の意味・読み・例文・類語

なん‐ぼく【南北】

[1] 〘名〙
① 南と北。また、南と北との間。
懐風藻(751)従駕吉野宮〈大伴王〉「朝雲指南北 夕霧正西東」 〔王延寿魯霊光殿賦
江戸時代、江戸の南町奉行所北町奉行所
※雑俳・柳多留‐八一(1824)「南北の手本に残る政要記」
[2] 江戸時代、大坂遊里である、南の道頓堀新町と北の堂島新地をさす。
浮世草子・好色盛衰記(1688)一「けふよりこのお女良一代は外へかはしませぬ合点じゃとうけあひて、南北(ナンボク)の客、ひとりもあはすなと」

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デジタル大辞泉 「南北」の意味・読み・例文・類語

なん‐ぼく【南北】

南と北。また、南と北との間。「南北に縦断する道」

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日本歴史地名大系 「南北」の解説

南北
なんぼく

七尾北湾の北域にあたる穴水湾沿岸部で、現穴水町の旧穴水・住吉すみよし両地区の大半に比定される。穴水南北とも称され、大屋おおや(現輪島市)内の内浦沿岸部にあたる穴水・内浦うちうら(もと穴水保)と旧熊木くまき(現中島町)の北域(曾福・鹿島・根木・志賀浦)をもって構成された、戦国期における能登内浦中央部の広域地名。地名の起りは中核となった中井なかい南方北方にちなむという(中居鋳物師由来書)。天文元年(一五三二)七月の諸橋六郷・南北棟数注文写(諸橋稲荷神社文書)に、南北に属する二七の村名が記され、棟役を負担する役屋は合計五九二間であった。また戦国後期頃の給人として、長・後藤・後藤忠兵衛・三宅彦四郎・栂雪軒・渡辺源六がみえる(「能登内浦村々給人注文写」諸橋文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

普及版 字通 「南北」の読み・字形・画数・意味

【南北】なんぼく

南と北。宋・王安石〔明妃曲、二首、一〕詩 君見ずや、咫尺長門(宮)、阿嬌(漢の武帝の妃陳皇后の幼名)を閉(とざ)すを 人生の失、南北無し

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