デカルト空間ともいう。特にこの空間に距離を定義するとき,それをユークリッド空間というが,両者は同義的に用いられることもある。近代数学では,空間というとき,距離や近傍が定義されるような対象の任意の集りを表わすからである。一般に n 個の数の組 (x1,x2,…,xn) を点と考えるとき,このような点の集りを n 次元カルテシアン空間という。ここで2点 P1(x1,x2,…,xn),P2(y1,y2,…,yn) の距離 d(P1,P2) を,各座標成分の差の2乗の和の平方根によって定義するとき,この空間を n 次元ユークリッド空間という。カルテシアン空間の座標は,一般には斜交座標であるが,上述のように距離を定義した場合は,直交座標をとっていることを意味する。