n個の実数を並べた組(x1,x2,……,xn)全体の集合をRnで表すとき,座標法により,直線,平面,空間の点はそれぞれR1,R2,R3の要素と1対1に対応する。そして,座標がx,yである直線上の2点間の距離は,で与えられ,直交座標を用いれば,座標が(x1,x2),(y1,y2)である平面上の2点間の距離は,で,座標が(x1,x2,x3),(y1,y2,y3)である空間の2点間の距離は,で与えられる。そこで,一般のnについてもRnの要素(x1,x2,……,xn)を点とみなして,これを一つの文字xで表し,2点x=(x1,x2,……,xn),y=(y1,y2,……,yn)に対し,をxとyの間の距離と呼ぶことにする。このようにしたときのRnをn次元ユークリッド空間という。上でみたことにより,直線はR1,平面はR2,空間はR3と同一視される。Rnの2点x,yの間の距離を|x-y|で表すとき,Rnの3点x,y,zに対し,
|x-z|≦|x-y|+|y-z|
が成り立つ。Rnの点x=(x1,……,xn),y=(y1,……,yn)と実数λ,μに対し,点(λx1+μy1,……,λxn+μyn)をλx+μyで表す。Rnのm+1個の点に対し,(ここにλ0,……,λmは実数で,λ0+……+λm=0)ならばλ0=λ1=……=λm=0という条件が成り立つとき,これらの点は一般に位置にあるといい,このときλ0+λ1+……+λm=1をみたすすべての実数λ0,λ1,……,λmに対する点全体の集合をRnのm次元平面という。とくにn-1次元平面を超平面,一次元平面を直線という。Rnの点aとr>0に対し,|x-a|=rをみたす点x全体の集合をaを中心としrを半径とするn-1次元球面という。RnからRnの上への1対1対応で,2点間の距離を変えないものをユークリッド空間の合同変換という。
執筆者:中岡 稔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…一般に,n個の実数の組(x1,x2,……,xn)全体の集合においてと定義すれば距離空間が得られる。これをn次元ユークリッド空間Euclidean spaceという。また閉区間[a,b]で定義された連続関数は,その2元f,gに対して,d(f,g)=max{|f(x)-g(x)|;a≦x≦b}と定義すれば距離空間となる。…
…一般に,n個の実数の組(x1,x2,……,xn)全体の集合においてと定義すれば距離空間が得られる。これをn次元ユークリッド空間Euclidean spaceという。また閉区間[a,b]で定義された連続関数は,その2元f,gに対して,d(f,g)=max{|f(x)-g(x)|;a≦x≦b}と定義すれば距離空間となる。…
※「ユークリッド空間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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