カルマット派(読み)かるまっとは(その他表記)Qarāmia

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルマット派」の意味・わかりやすい解説

カルマット派
かるまっとは
Qarāmia

イスラム教イスマーイール派シーア派の一分派)の一グループをさす。9世紀末、クーファのサワード地方で反乱を起こしたハムダーン・カルマットに従う者たちに始まる。イスマーイール派の主流となるファーティマ朝カリフイマーム教主)として認めず、ムハンマド・イブン・イスマーイールが最後のイマームで世界の終末に再臨すると信じ、その隠れイマームの指示に基づくとして各地で反乱を起こした。バーレーンのカルマット派は930年メッカを襲ってカーバ黒石を持ち去り、イスラム世界を恐怖に陥れた。カルマット派は、11世紀末に至るまでバハレインに、無税、黒人奴隷の共同所有、新入植者への生活費貸与などの制度をもつコミューン的国家を維持した。

鎌田 繁]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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