黒石(読み)クロイシ

デジタル大辞泉 「黒石」の意味・読み・例文・類語

くろいし【黒石】

青森県中部の市。もと津軽支藩陣屋町。米とリンゴ産地浅瀬石川沿いに黒石温泉郷がある。人口3.6万(2010)。

くろ‐いし【黒石】

黒い色の石。
黒の碁石

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精選版 日本国語大辞典 「黒石」の意味・読み・例文・類語

くろ‐いし【黒石】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 色の黒い石。色の黒い岩。
    1. [初出の実例]「秋風に軒端の椎の落ちつれば庭にくろ石しくかとぞ見る〈藤原光俊〉」(出典:新撰六帖題和歌(1244頃)六)
  3. 黒の碁石(ごいし)。先手が持つ石。くろ。
    1. [初出の実例]「唐人議云、才は有とも芸は必しもあらじ。以囲碁試と云て、以白石日本、以黒石唐土て」(出典:江談抄(1111頃)三)

くろいし【黒石】

  1. 青森県中部にある地名。江戸時代は津軽支藩一万石の城下町。米、リンゴなどを生産。黒石温泉郷がある。弘南鉄道で弘前市と結ばれている。昭和二九年(一九五四市制

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒石」の意味・わかりやすい解説

黒石(市)
くろいし

青森県中央部、津軽(つがる)平野の南東隅に位置する都市。1954年(昭和29)黒石町と山形、浅瀬石(あせいし)、中郷(なかごう)、六郷(ろくごう)の4村が合併して市制施行。津軽(弘前(ひろさき))藩の支藩黒石藩1万石の小城下町として廃藩置県まで続いた。城下町のたたずまいをいまも残し、雪国特有のコミセ(雁木(がんぎ))もみられる。

 浅瀬石川の流域地帯で、黒石米とよばれる良質の米とリンゴの生産で知られる。県の農林総合研究所とりんご試験場があり、りんご試験場は1931年に設立され、栽培、改良、試作など青森リンゴの生産を今日に至らしめた功績は大きい。県内のリンゴ生産者への指導のほか、他県の生産者に対しても資料を提供している。

 奥羽本線敷設の際、住民の反対で町を迂回(うかい)し、町の発展を阻害したが、その後、国鉄黒石線(のち弘南鉄道黒石線(こうなんてつどうくろいしせん)。1998年廃止)、弘南鉄道(弘南線)が開通し、奥羽本線とも連絡した。国道102号、394号が通じ、東北自動車道黒石インターチェンジがある。浅瀬石川流域に温湯(ぬるゆ)、板留(いたどめ)、落合、温川(ぬるかわ)、青荷(あおに)などの温泉があり、黒石温泉郷とよばれている。また十和田八幡平(とわだはちまんたい)国立公園の西口にあたり、観光に力を入れている。「大川原の火流し」(舟の帆柱に火をつけて川に流す)は豊作、疫病退散を願う行事で、南北朝時代のころから行われていると伝える。このほか黒石ねぷた祭り、黒石よされの行事がある。面積217.05平方キロメートル、人口3万1946(2020)。

[横山 弘]

『鳴海静蔵著『黒石百年史』(1962・黒石市役所)』


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改訂新版 世界大百科事典 「黒石」の意味・わかりやすい解説

黒石[市] (くろいし)

青森県西部,津軽平野の南東隅にある市。1954年黒石町と山形,浅瀬石,中郷,六郷の4村が合体,市制。人口3万6132(2010)。1656年(明暦2)津軽藩の支藩がおかれ,1万石の城下町となり,1871年(明治4)の廃藩置県まで11代の藩主が続いた。岩木川の支流浅瀬石川に沿い,周辺は米とリンゴの産地で,米は品質がよくすし米として知られる。県の農業試験場(現,青森県農林総合研究センター)とりんご試験場(現在は前記センターの研究施設)があり,後者は全国唯一のもので,青森リンゴの生産を今日に至らしめた功績は大きい。鉄道交通は主要幹線からはずれ,弘南鉄道弘南線によって,JR奥羽本線の弘前と連絡している。1986年東北自動車道が開通した。農業のほかに観光に力を入れ,県立自然公園黒石温泉郷は十和田八幡平国立公園の西玄関口となっている。浅瀬石川に沿って下流から温湯(ぬるゆ),落合,板留,青荷(あおに),温川(ぬるかわ)の温泉が点在する。板留付近の中野山は紅葉の名所として知られる。
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百科事典マイペディア 「黒石」の意味・わかりやすい解説

黒石[市]【くろいし】

青森県中部の市。1954年市制。津軽平野南東部とその東の山地を占める。市街は津軽藩支藩の城下町として発達,東北自動車道,弘南鉄道が通じる。リンゴ,米の多産地で,県農林総合研究センター及びりんご試験場がある。東部には温湯(ぬるゆ),板留などの温泉群があり,十和田湖観光の基地でもある。東日本大震災で,市内において被害が発生。217.05km2。3万6132人(2010)。

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