改訂新版 世界大百科事典 「カンタス航空会社」の意味・わかりやすい解説
カンタス航空[会社] (カンタスこうくう)
Qantas Airways Ltd.
シドニーに本拠地を置くオーストラリアの国営航空会社であったが,1995年持株を公開して民営化された。航空会社コードはQF。国際線を中心に運営し,国際線では世界の航空会社の十指に入る。オーストラリア,ニュージーランド,南太平洋諸島,東南アジア,ヨーロッパを中心に中東,北米の主要都市,および南アフリカのヨハネスバーグへの路線網がある。日本へは1952年から乗り入れている。1920年にクイーンズランド・ノーザン・テリトリー航空サービス会社Queensland and Northern Territory Aerial Service Ltd.として創設され,カンタス航空の名称もこの頭文字に由来する。47年国営に,67年現社名となる。1922年定期便の運航を開始し,34年イギリス~オーストラリア間路線のうちブリズベーン~シンガポール間を運航,47年シンガポール経由ロンドン間の運航を始めた。54年には1946年に設立されたイギリス連邦パシフィック航空British Commonwealth Pacific Airlinesの南太平洋経由北米路線を引き継いで,太平洋横断路線を開設した。輸送実績は813億収入人キロ,旅客数3008万人(うち国内線2097万人),売上高114億ドル(2004年6月期)。
執筆者:中島 巌
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