カーベーリ川(英語表記)Cauvery

改訂新版 世界大百科事典 「カーベーリ川」の意味・わかりやすい解説

カーベーリ[川]
Cauvery

インド半島南部の大河で〈南のガンガーガンジス)Dakṣiṇa Gangā〉とあがめられる。延長760km,流域総面積8万km2。マイソール市西方の西ガーツ山脈中に発し,デカン高原最南部を占める標高700~800mのマイソール高原上を東流,東ガーツ山脈にカーベーリ滝をはじめ数多くの滝や急流をつくり深い峡谷をなして貫流した後,タミル・ナードゥ州サーレム(セーラム)付近でしばらく南流,下流部ではふたたび東流して広い河谷平野と三角州をつくり,最後はベンガル湾に注ぐ。南西モンスーンが上流山地にもたらす多量の降雨によってカーベーリ川の流量は比較的豊富であり,三角州地帯のタンジャーブール(旧タンジョール)付近では2世紀から用水路灌漑が行われていた。灌漑・発電用の大規模なダムも独立前すでにタミル・ナードゥ州のメートゥール(1934完成),カルナータカ州のクリシュナラージャ・サーガラ(1930完成)に建設されており,それぞれ地域発展の契機となった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

部分連合

与野党が協議して、政策ごとに野党が特定の法案成立などで協力すること。パーシャル連合。[補説]閣僚は出さないが与党としてふるまう閣外協力より、与党への協力度は低い。...

部分連合の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android