日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベンガル湾」の意味・わかりやすい解説
ベンガル湾
べんがるわん
Bay of Bengal
インド洋北東部にある大湾。東はミャンマー(ビルマ)とインド領のアンダマン諸島、ニコバル諸島、北はバングラデシュ、西はインドに囲まれ、南西端にセイロン島が位置する。面積220万平方キロメートル。海底は比較的単調で、東部に東経九十度海嶺(かいれい)が南北に直線的な高まりをつくるほかは、ガンジス深海扇状地とよばれる深さ1500~4000メートルの平坦(へいたん)面が広がる。湾奥のガンジス・デルタの沖では100メートル等深線が220キロメートルほど張り出し、かつての陸上水系が沈降した沈水谷がみられる。夏には熱帯低気圧が多く発生し、北東部の沿岸はしばしば被害を受ける。古くから海上貿易が盛んで、湾岸にはインドのコルカタ(カルカッタ)、チェンナイ(マドラス)、バングラデシュのチッタゴンなどの港がある。
[中田 高]