日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガンガー」の意味・わかりやすい解説
ガンガー
がんがー
Gagā
ガンジス川の精を神格化して女神となしたもの。ヒンドゥー教の河川崇拝は、ガンジス川の流域にベナレス(ワーラーナシ)をはじめ多くの聖地をつくった。そして聖なる川に沐浴(もくよく)し、死したのちにその灰や骨をここに流す者は天国に昇ると信じられて、多くの神話や伝説が伝えられてきた。『ラーマーヤナ』では、バギーラタ王は父祖の霊を慰めるために激しい苦行に身を挺(てい)し、それを嘉(よみ)したシバ神が、天上に流れていたこの神々の川を自分の弁髪に落下させて地上にもたらし、さらに海に注ぐようにしたという。また、ヒマラヤに源を発することから、この女神は雪山の長女ともいわれる。
[原 實]
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