日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーモード」の意味・わかりやすい解説
カーモード
かーもーど
Sir John Frank Kermode
(1919―2010)
イギリスの英文学者、評論家。マンチェスター、ロンドンなどで教職についたあと、ケンブリッジ大学(1974~1982)で教える。ヨーロッパ的視野のもとに、ルネサンスからモダニズム文学に至るまで幅広くとらえ、聖書解釈学の深い洞察を現代文学理論に応用するなど、多彩な批評活動を展開した。『ロマン派のイメージ』(1957)、『終りの意識』(1967)、『秘儀の発生』(1979)、『詩への意欲』(1989)などの著作のほか、シェークスピアのテクスト編纂(へんさん)にあたる。
[川崎寿彦・上田和夫]
『玉泉八州男訳『英文学ハンドブック「作家と作品」シェイクスピア編10 晩年の劇』(1972・研究社出版)』▽『菅沼慶一・真田時蔵訳『ロマン派のイメージ』(1982・金星堂)』▽『岡本靖正訳『終りの意識――虚構理論の研究』(1991・国文社)』▽『山形和美訳『秘儀の発生――物語の解釈をめぐって』改訂新版(1999・松柏社)』▽『出淵博「F・カーモードの『連続性』」(『出淵博著作集2』所収・2001・みすず書房)』