意欲(読み)いよく

精選版 日本国語大辞典 「意欲」の意味・読み・例文・類語

い‐よく【意欲】

〘名〙
① そうしたいと思う心。積極的にやろうとする意志。また、自ら進んで望むこと。
※国会論(1888)〈中江兆民〉「早速国会を開らき代議士をして国民の意欲を発揚せしむることを求めて」 〔史記‐蔡沢伝〕
② 種々の動機の中からある一つ目標を選んで意志が積極的、能動的に働くこと。〔改訂増補哲学字彙(1884)〕
③ 心の中の欲念
集義和書(1676頃)四「心上意欲の妄をはらひ候事」

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デジタル大辞泉 「意欲」の意味・読み・例文・類語

い‐よく【意欲】

[名](スル)
進んで何かをしようと思うこと。また、その心の働き。「意欲あふれる人材を求める」「研究意欲に燃える」
衝動はこれに能動的に働きかけて認識し、情感し、―する」〈倉田愛と認識との出発
哲学で、種々の動機の中から選択した目標に、積極的に働く意志活動。狭義には、主観的、特殊的な意志活動、すなわち任意・気随の意。
[類語]気概気骨骨っ節反骨欲望欲求欲情欲念欲心欲気よくけ欲得利欲私欲我欲執着煩悩ぼんのう色気野心野望向上心娑婆気

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普及版 字通 「意欲」の読み・字形・画数・意味

【意欲】いよく

欲望。〔淮南子、道応訓〕故に、人欲、外に見(あら)はるるときは、則ち人臣の制すると爲る。

字通「意」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の意欲の言及

【意志】より

…そして,この意味での意志が本能的欲求や感情によって動機づけられているか,それともそれらから自立し,ある種の自律性をもつか(カント)という点をめぐって,自由意志の存否が争われてきた。 一方,たとえばショーペンハウアーが〈表象としての世界〉に対して〈意志としての世界〉を究極の実在だと主張したり,ニーチェがあらゆる存在者の根本性格を〈力への意志〉に見たりする場合に考えられている意志は,単に人間のもつ一能力ではなく,広く生命衝動をもふくめた意味での意欲を指す。近代においても,合理主義的・主知主義的傾向の強い英仏の哲学にあっては意志は副次的な能力と見られていたが,ドイツ哲学にはこの意味での意志・意欲を究極の実在と見,したがって世界を生きて生成するものと見る伝統があった。…

【意欲障害】より

…欲動と意志をあわせて意欲という。欲動は自発的に発生する,何かをしようとする衝動であり,緊張した,不快な感情をともなうが,それが解放されると快の感情が生じる。…

※「意欲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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