化学辞典 第2版 「カールフィッシャー法」の解説
カールフィッシャー法
カールフィッシャーホウ
Karl Fischer method
固体,液体,あるいは気体の試料中の水分を定量する容量分析法の一つ.ヨウ素と二酸化硫黄は,2当量の水と反応して硫酸と2当量のヨウ化水素を生成するが,ピリジンを利用してこの反応を行うカールフィッシャー法では,ピリジン270 mL とメタノール100 mL の混合液に氷冷下でSO246 g を吸収させたA液と,84.7 g の I2 をメタノール600 mL に溶解したB液を,使用直前に混合して用いられる.この試薬は水が存在すると,次式に従って2段階で選択的,かつ化学量論的に等 mol の I2 とH2Oが反応し,SO2 は硫酸モノメチルエステルとなって収束する.
H2O + I2 + SO2 + 3C5H5N → 2(C5H5NH)+ I- + C5H5NSO3
C5H5NSO3 + CH3OH → (C5H5NH)+-SO4CH3
終点は I2 による色の変化によって求める.また,試料が着色しているときにはデッドストップ法のような自動滴定装置も使用され,多数の実験結果が報告されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報