がてり(読み)ガテリ

デジタル大辞泉 「がてり」の意味・読み・例文・類語

がてり[接助]

[接助]動詞連用形に付く)「がてら」に同じ。万葉集にのみみられる。
能登の海に釣りする海人あまのいざり火の光にいませ月待ち―」〈・三一六九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「がてり」の意味・読み・例文・類語

がてり

〘副助〙 動詞の連用形を受け、「あわせて」「かねて」の意を表わす上代語。「がてら」より古い形。
万葉(8C後)一・八一「山の辺の御井を見我弖利(ガテリ)神風の伊勢少女ども相ひ見つるかも」
※万葉(8C後)一〇・一九〇〇「梅の花咲き散る苑(その)に吾れ行かむ君が使をかた待ち香花光(かてり)
[語誌](1)「まぜる」「合わせる」の意をあらわす動詞「かつ(糅)」の連用形に「あり」が続き、音変化を起こしてできた語といわれる。
(2)万葉集に六例見られるが、上接語が「(片)待つ」「見る」に限られている。
(3)平安時代以後は「がてら(に)」にとって代られ、「かてり→がてり→がてら」という変遷が想定できる。ただし、下に続く動詞が意味的に主である「がてら」と異なって、「がてり」では上の動詞に下の動詞と対等以上の比重があるといわれる。

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