がてら(読み)ガテラ

デジタル大辞泉 「がてら」の意味・読み・例文・類語

がてら[接助・副助]

《「がてり」の音変化とも》
[接助]動詞、および動詞型活用語の連用形に付いて、ある事柄をするときに、それを機会に他の事柄をもする意を表す。…のついでに。…かたがた。…しながら、その一方で。「外に行きがてら手紙を出してきてくれないか」
「梅の花咲き散る園に我行かむ君が使ひをかた待ち―」〈・四〇四一〉
[副助](多く動作性の意をもつ名詞に付く)…のついでに。…を兼ねて。…かたがた。「運動がてら買い物に行く」
我妹子わぎもこ形見―と紅の八入やしほに染めておこせたる衣の裾も通りて濡れぬ」〈・四一五六〉
[補説]とも「がてらに」となることもある。
[類語]ついでにちなみになお念のためついで手ついでかたがたかたわら道すがら道中道道みちみち途中途上途次中途行き掛け路次道草通りすがり通り掛かり通り掛け行きずり行き掛かり帰りしな帰りぎわ帰り掛け帰るさ寄り道半ば

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「がてら」の意味・読み・例文・類語

がてら

〘副助〙 動詞の連用形または体言を受け、「…をかねて」「かたがた」「ついでに」等の意を表わす。「がてら」の受けている動詞が意味的に従、下に続く動詞が主である。古くは「がてり」。
万葉(8C後)一八・四〇四一「梅の花咲き散る園にわれ行かむ君が使をかた待ち我氐良(ガテラ)
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院来年こそはつかまつり給べき年なれば、御子日(ねのひ)がてらも参り給へかし」
源氏(1001‐14頃)帚木「いかが思へると、気色も見がてら雪をうちはらひつつ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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