改訂新版 世界大百科事典 「キクイモモドキ」の意味・わかりやすい解説
キクイモモドキ
Heliopsis helianthoides(L.)Sweet
キク科の多年草で,ヒメキクイモともいう。別属の地下に塊茎のあるキクイモに似て,塊茎をもたないところからこの名がつけられた。北アメリカ原産で,オンタリオ,フロリダ,イリノイ州などに分布し,日本へは明治中期に渡来した。草丈1.5mに達し株もとより分枝して叢生(そうせい)して茂り,全株無毛,粗い鋸歯のある卵状の葉を対生する。7月から10月へかけて,茎頂に径5cm前後の黄色頭状花を散房状に数多く咲かせる。矮性のpitcheriana種が多く栽培されるが,大輪のgrandiflora種もある。きわめて強く,耐寒性で,日当り,排水のよい所であれば手がかからずによく育つ。繁殖は春に株分けを行うか,種子をまいて殖やす。植え時は3~4月。
執筆者:柳 宗民
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報