植物の地下茎が枝分れし、その先のほうが著しく肥大して塊状となったもの。ジャガイモ、キクイモなどのいもの部分がこれにあたる。ジャガイモの場合はデンプン、キクイモの場合はイヌリンなどの養分を多量に貯蔵している。冬などの生育に不適当な季節に植物の地上部は枯れても地下の塊茎が生き残り、ふたたび生育に適する季節がくると塊茎のあちこちから芽と不定根を出して繁殖する。これと同様に養分を貯蔵し肥大して越冬と栄養繁殖を役目とする地下茎に、サトイモなどにみられる球茎がある。塊茎と球茎を比較すると、塊茎のほうが多くの芽をもち、また球茎は母軸に接してできるのに対して塊茎は母軸との間に細い柄があるなどの差もあるが、両者を厳密に区別することはできない。
[福田泰二]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…グラジオラス,クロッカス,フリージア,バビアナなど。(3)塊茎tuber 地下の茎に養分を蓄えて肥厚し塊状となったもの。シクラメン,カラジウム,グロキシニア,アネモネなど。…
…地上茎のうちでは光屈性を端的にあらわす直立茎が最もふつうであるが,節間が短い短縮茎(バショウ)や短枝,茎が扁平になった扁茎(カンキチク)や仮葉枝,茎針,地面などの基物面をはう匍匐茎(シノブ)や横走枝,物につる状に巻きつく巻きつき茎(アサガオ),葉が退化的で茎が太くなった多肉茎(サボテン)などがある。地下茎でも,根の機能も果たす根茎(ワラビ),茎が肥大して物質貯蔵の役目をする塊茎(ジャガイモ),茎が短く肉質の鱗片状葉に包まれた鱗茎(タマネギ)などがある。新しい茎は種子植物では単軸分枝的に腋芽(えきが)がのびてつくられ,シダ植物の多くでは茎頂が二叉(にさ)分枝または二叉状仮軸分枝してできる。…
… 地下茎は地面からすぐ下にある場合が多いが,スギナやハスなどのようにかなり深く地中を横走することもあり,これらの場合通気腔が発達している。地下茎はその形状から,横にはうものを根茎rhizome,塊状,球状のものを塊茎tuber,球茎corm,鱗片葉がつくものを鱗茎bulbなどという。シダ類のワラビやウラジロの地下茎は地中を長くはい,枝分れし,典型的な根茎であるが,斜上したり短く直立する根茎もある。…
※「塊茎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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