きじもの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「きじもの」の意味・わかりやすい解説

きじもの

沖縄の妖怪一種。木の精をさす語意で,普通キジムナーまたはキジムンと呼ばれる。年を経たガジュマル,アコウなどの木がこれになると信じられ,おかっぱ頭で赤ら顔童形魔物とされる。古木をすみかとするが漁の巧者で,これと親しくなったため漁運に恵まれ富者となったという説話が多く残されている。また,なかなかのいたずら者で,夜中に寝所に入って人の上にのしかかることがあり,そのようなときには人は意識は明瞭でありながらも,身動きができず,叫ぶことさえできないという。この妖怪がなによりも嫌うものが屁であるとする説は,南国的なユーモアがあってほほえましい。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android