キリストの系譜(読み)キリストのけいふ(その他表記)Genealogy of Christ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キリストの系譜」の意味・わかりやすい解説

キリストの系譜
キリストのけいふ
Genealogy of Christ

マタイによる福音書』1章1のイエスキリスト系譜は,アブラハムからエッサイダビデを経てイエスにいたり,『ルカによる福音書』3章 23以下の系譜は,イエスから遡行し,ダビデ,エッサイを経てアダムにいたる。さらに『ローマ書』 15章 12には『イザヤ書』 11章1以下によりつつ,「エッサイの根」とその「ひこばえ」であるキリストが言及されている。 810年頃の作である『ロルシュ福音書』には『マタイによる福音書』に基づき 13×3世代のイエスの祖先たちが描かれているが,1000年頃作られたベロナの聖ツェノ聖堂青銅扉浮彫には,横たわるエッサイの腰のあたりから生え出た枝の上にイエスとその祖先たちが表わされている。 1140年頃聖ドニ修道院長のシュジェールが考案したステンドグラスの「エッサイの木」の図像は,シャルトルでも 50年頃採用され,特に有名である。「エッサイの木」の枝には聖母子を中心に聖霊のはと,キリストの祖先,王,預言者らを配する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android