翻訳|Jesse
旧約聖書中の人物。ベツレヘムに住むユダ族の一員で,8人の息子があり,その末子がダビデだとされている(《サムエル記》上17:12~14)。ダビデの記事とともに語られることが多い。エッサイの図像はダビデ伝の写本挿絵などにも登場するが,特に中世美術ではサン・ドニ修道院長シュジェールが流布させたといわれる〈エッサイの根(樹)〉という図像が知られる。これは《イザヤ書》11章,《マタイによる福音書》冒頭などの記述により,キリストの系図がダビデを通じエッサイに由来することを示す主題で,横たわるエッサイの身体から木がはえ,その枝の間にキリストの先祖たちが,頂上にキリストが描かれる表現(シャルトル大聖堂ステンド・グラス,12世紀)などがある。
執筆者:浅野 和生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…雌雄とも上面は暗灰青色だが,下面は雄が淡赤褐色,雌が白と黒の横縞で,一見別種のように見える。かつては,雌をツミ,雄をエッサイ(悦哉)と呼んで区別していた。キッキッキッと鳴く。…
…父であるノアからセムとヤペテの2本の幹が伸び,この2本が交差してつくる三つの輪によってキリスト教の過去,現在,未来が象徴される。《イザヤ書》(11章)にみられる〈エッサイの木〉は,ユダヤ人の歴史を象徴し,中世を通じて多くの表現を見たイメージである。エッサイの腰から生えた木には,マリアとキリストが実る。…
※「エッサイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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