キルワ遺跡(読み)キルワいせき(その他表記)Kilwa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キルワ遺跡」の意味・わかりやすい解説

キルワ遺跡
キルワいせき
Kilwa

東アフリカ,タンザニアの首都ダルエスサラームの南方約 300kmのインド洋上の小島キルワ・キシワニにある都市遺跡。インド洋通商路の一環,アラブ=東アフリカルートの商業中心地で,13~15世紀末まで栄えた。遺構は島の北部に集中していて,東西約 1.5km,南北約 0.5kmの都城址,フスニ・グブワ (大城) ,フスニ・ンドゴ (小城) ,多数の井戸,モスク,墓地などが残っている。また,ヨーロッパ侵入以後建設された砦,城址もある。これらの遺跡群からは,イスラム陶器,明を中心とする中国陶磁器,キルワのスルタン貨幣,中国貨幣など,通商範囲の広さを物語る遺物が多数発見されている。この遺跡の総合研究は,1974年,N.チティックにより発表された。これは,東アフリカ海岸部の歴史,考古学の規準となる業績といえよう。 1981年南方に浮かぶソンゴ・ムナラ島のソンゴ・ムナラ遺跡とともに世界遺産の文化遺産に登録。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android