大学事典 の解説
キング・アブドゥッラーサイエンス&テクノロジー大学[サウジアラビア]
キング・アブドゥッラーサイエンス&テクノロジーだいがく
サウジアラビア唯一の国立の大学院大学(サウジアラビア)。サウジアラビアの西側,紅海に面する都市ツワルに位置する。アブドゥッラー第6代国王(在位2005-15)の世界最高水準の科学技術のセンターを目指すという構想を実現するため,2009年に設置された。世界中から優れた教授陣と学生を集めるという方針をとり,独立の理事会が運営に当たる。数十億ドルに達するワクフ(サウジアラビア)(寄付)が活動を支える。第2代学長(2013-17)のジャン・ルー・シャモー博士は,アメリカの名門カリフォルニア工科大学の学長経験者。提供プログラムは生物・環境科学工学,コンピュータ・電気・数理科学工学,物理科学工学で,英語が公式の教授言語となっている。サウジアラビアではイスラームの影響で他の大学のキャンパスは男女別で,女子学生の服装もヴェール着用などが義務付けられるが,この大学院大学では男女の学生が同じ教室で学び,女子学生が自由な服装を許容されるなど新たな方向性が注目を集めている。
著者: 和氣太司
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報