キンブリ人(読み)きんぶりじん(その他表記)Cimbri

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キンブリ人」の意味・わかりやすい解説

キンブリ人
きんぶりじん
Cimbri

ゲルマン人一派ユトランド半島北部に居を占めていたが、紀元前2世紀末からテウトニ人、アンブロネス人とともに南下し始めた。前113年ノリクム地方でローマ軍を破ったあと、西方に転じてローヌ川流域に入り、前105年アラウシオでローマ軍を破ってスペインに入った。しかし前103年南ガリアに転進し、前101年北イタリアのウェルケラエ付近の戦いでローマの将軍マリウスに敗れた。アウグストゥス時代にはその一部が故地ユトランド半島に残っていたが、タキトゥス時代には完全に消滅したとみられる。

[長谷川博隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「キンブリ人」の解説

キンブリ人
キンブリじん
Cimbris

原始ゲルマン人の一種族
原住地はユトランド半島。前2世紀ごろ南へ移動を開始し,ローマ領内に侵入。前105年北イタリアに侵入したが,マリウス指揮のローマ軍にヴェルケールで敗れて壊滅

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android