日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギュルセル」の意味・わかりやすい解説
ギュルセル
ぎゅるせる
Cemal Gürsel
(1894―1966)
トルコの軍人、政治家。トルコ東部のエルズルムに生まれる。1912年陸軍士官学校卒業。1915年砲兵中尉に任官。第一次世界大戦ではパレスチナ戦線で活躍する。1946年以来砲兵連隊長、第五方面軍司令官などを歴任し、1953年陸軍大将、1958年陸軍総司令官に昇任した。
1960年5月、反政府デモに対する首相メンデレスの強行措置に反対して陸軍総司令官を辞任。同月27日にクーデターを指揮し、独裁的なメンデレス政権を打倒して全権を掌握した。クーデター後、首相(1960年5月~1961年11月)、国家元首、国家統一委員会議長、参謀総長に就任して議会制民主主義と社会秩序の回復に努力した。1961年10月第4代大統領に選出された。1966年3月病気のため大統領を辞任、9月14日アンカラの陸軍病院で死去した。
[長場 紘]