エルズルム(読み)えるずるむ(英語表記)Erzurum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エルズルム」の意味・わかりやすい解説

エルズルム
Erzurum

トルコ東部の都市で,同名県の県都。 3000m級の山々に囲まれた肥沃平原 (標高 1950m) に位置する。古くから周辺の地方への隊商ルートにあったが,首都アンカラからアルメニアに通じる鉄道やハイウェートラブゾンからイランにいたるハイウェーなどの主要な中継点である。5世紀にビザンチンの砦がおかれ,13世紀初頭以来セルジューク・トルコ統治下で栄え,1515年オスマン帝国領となった。セルジューク・トルコ時代の神学校,大モスクなどが残っている。 1919年7月にトルコ共和国第1回大国民会議が開かれた地で,58年アタチュルク大学が設置された。家畜集散の中心地で,精糖工場などもある。人口 24万 2391 (1990) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルズルム」の意味・わかりやすい解説

エルズルム
えるずるむ
Erzurum

トルコの小アジア半島北東部にある都市。エルズルム県の県都。ユーフラテス川源流、カラスー川の上流域、標高1950メートルの高地に位置する。人口36万1235(2000)。小麦テンサイなどを産する農業地域の中心である。またトルコ東部の交通の要衝で、旧ソ連地域へも鉄道が通じる。アタチュルク大学、考古学博物館などがある。ビザンティン帝国時代はテオドシオポリスTheodosiopolisとよばれた。戦略拠点でもあるため、19世紀のロシア・トルコ戦争の際にはロシア軍に占領された。

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