化学辞典 第2版 「ギルマンテスト」の解説
ギルマンテスト
ギルマンテスト
Gilman test
グリニャール試薬,有機リチウム化合物,あるいは有機亜鉛化合物などの有機金属化合物の定性試薬法.ギルマンの呈色試験ともよばれる.この試験は,ミヒラーケトン(Michler's ketone,4,4′-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン)に付加しうる有機金属化合物に対し,有用かつ鋭敏な方法で,次式で示される反応を利用する(ギルマンの第一呈色反応).
さらに,ともに反応性のある金属アルキルと金属アリールとを区別するには,次のギルマンの第二呈色反応がある.すなわち,有機金属化合物とp-プロモ-N,N-ジメチルアニリンとの反応により,臭素を金属に置換し,これにベンゾフェノンのベンゼン溶液を加え,さらに水で分解後濃塩酸で酸性にすることにより水層を赤く発色させる方法である.この反応は,アルキル金属に対しては陽性であるが,アリール金属に対しては陰性である.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報