ベンゾフェノン(読み)べんぞふぇのん(英語表記)benzophenone

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベンゾフェノン」の意味・わかりやすい解説

ベンゾフェノン
べんぞふぇのん
benzophenone

芳香ケトンの一つ。ジフェニルケトンあるいはベンゾイルベンゼンともよばれる。ベンゼンと四塩化炭素とを塩化アルミニウムにより縮合させたのち、加水分解すると得られる。化学式C6H5COC6H5、分子量182.2、融点48.5℃、沸点305.4℃。無色の柱状結晶ゼラニウムに似た芳香をもつ。香料の固定剤、医薬農薬の合成中間体として用いられる。また光増感剤、光重合開始剤として用いられる。ベンゾフェノンの(ポリ)ヒドロキシ置換体には化粧品として使われているものが多く、その一例は2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンで、オキシベンゾンの名で日焼け止めとして使われている()。

[廣田 穰 2016年2月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベンゾフェノン」の意味・わかりやすい解説

ベンゾフェノン
benzophenone

ジフェニルケトンともいう。化学式 C6H5COC6H5 。塩化アルミニウムを用いて,ベンゼンと塩化ベンゾイルを縮合させて得られる結晶で,2種類ある。安定型柱状晶は融点 49℃,不安定型柱状晶は融点 26℃。水に不溶,エチルアルコールエーテル可溶。香料の固定剤や殺虫剤原料にする。

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