改訂新版 世界大百科事典 「クサキョウチクトウ」の意味・わかりやすい解説
クサキョウチクトウ
Phlox paniculata L.
北アメリカ原産のハナシノブ科の耐寒性多年草。オイランソウともいう。同属のシバザクラやフロックスとともに庶民的な草花として夏の庭を飾っているが,渡来は明治時代。茎葉,花などがキョウチクトウに一見すると似ている草本であるところから,和名がつけられた。株もとより60~120cmくらいになる直立する茎を何本も伸ばし,茎頂に直径2~3cmの高盆状花を円錐花序をなして群開する。花期は6~9月。花色は紫紅色のほか,赤,桃,白などがある。葉は長楕円状披針形で十字状に対生する。園芸品種は多数あり,白竜(白),サルモネー(サーモンピンクに赤目),パストラル(桃に赤目),エベンタイド(赤紫),ウィンザー(サーモンピンク)などが著名である。性質は強健で,日当り地ならば土質を選ばずに育つ。繁殖は春に株分けによる。
執筆者:柳 宗民
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報