山川 世界史小辞典 改訂新版 「クタドゥグ・ビリク」の解説
『クタドゥグ・ビリク』
Khutadgu Bilig
書名は「幸福になるための知恵」。イスラーム暦462年(西暦1069/70年)に,バラサグンのユースフ・ハス・ハージブがカラハン朝の王タブガチ・ボグラ・ハンのために,首都カシュガルで書いた教訓詩。ウィーン本(ウイグル文字),カイロ本(アラビア文字),フェルガナ本(アラビア文字)の3写本が残っている。君主としての心得などがトルコ語(カシュガル方言)で書かれており,現存するものでは,イスラーム化したトルコ人がトルコ語で書いた最古の作品として,文学史的にも重要である。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報