クチバスズメ(読み)くちばすずめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クチバスズメ」の意味・わかりやすい解説

クチバスズメ
くちばすずめ / 朽葉天蛾
[学] Marumba sperchius

昆虫綱鱗翅(りんし)目スズメガ科に属するガ。はねの開張100~110ミリメートルに達する大形種。前翅翅頂はとがり、外縁は波状で赤褐色。前翅には5、6本の濃色横線があり、前後翅とも後角近くに暗褐色紋がある。日本全土、アジアの東域に分布する。6~9月に出現し、よく灯火に飛来する。幼虫は体長80~90ミリメートルで、黄緑色、顆粒(かりゅう)によりざらざらし、各節に黄色の斜線がある。尾角は約10ミリメートル、後方へ曲がっている。クリ、クヌギカシシイなどブナ科の葉を食べる。老熟すると土中に入って蛹化(ようか)する。蛹(さなぎ)で越冬する。

[井上 寛]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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