クヌギカメムシ(読み)くぬぎかめむし(その他表記)chestnut-leaved oak bug

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クヌギカメムシ」の意味・わかりやすい解説

クヌギカメムシ
くぬぎかめむし / 櫟椿象
chestnut-leaved oak bug

昆虫綱半翅(はんし)目異翅亜目クヌギカメムシ科Urostylidaeの総称、またはそのなかの1種。体は扁平(へんぺい)で、触角は長く、頭部側縁の複眼のすぐ前から出ている。臭腺(しゅうせん)の開口部には棘(きょく)状の突起がある。日本には5種が知られる。クヌギカメムシUrostylis westwoodiは、体長約12ミリメートル、全体緑色である。クヌギ、ミズナラなどの樹幹に寒天状物質で覆われた帯状の卵塊を産む。卵態で越冬し、早春孵化(ふか)した1、2齢幼虫はこの寒天状物質を食べて育つ。本州、四国、九州に分布する。近似種として、ヘラクヌギカメムシとサジクヌギカメムシが知られ、雄生殖節中央の突起の先端部の形で区別される。

[林 正美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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