クラシス(その他表記)classis

翻訳|classis

改訂新版 世界大百科事典 「クラシス」の意味・わかりやすい解説

クラシス
classis

古代ローマで市民軍総体,また市民の等級をいう。歴史上重要なのは後者で,財産基準により市民を5等級(5クラシス)に格付け,等級別に歩兵装備を課し,基準以上の富裕市民は騎兵勤務につかせ,基準以下の市民は装備免除とする制度が共和政期に行われた。財産と軍務の関連から後にクラシス所属者(クラシキ)が有産市民,クラシスは市民軍をさした。クラシスは〈階級〉を意味する近代語のclass(英語),Klasse(ドイツ語)などの語源となったことでも知られる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクラシスの言及

【ギリシア美術】より


[クラシック(古典)時代(前450‐前320)]
 ギリシア美術がその調和的・理想的形式を完成させた時代で,ペリクレスがアテナイの政権を手中に収めた頃からアレクサンドロス大王の没年ころまでをいう。クラシックclassicの呼名はラテン語のクラシクスclassicus(〈最上級の〉〈模範的な〉の意)から由来する(クラシクスは本来,クラシスclassis(ローマ市民の階級区分)における最上級層クラシキclassiciの形容詞形で,語意が転用されたもの)。この時代は一般には前5世紀後半の盛期クラシック(〈崇高な様式〉)と前4世紀の後期クラシック(〈優美な様式〉)とに区別される(この区別と命名はウィンケルマンによる)。…

【ギリシア美術】より


[クラシック(古典)時代(前450‐前320)]
 ギリシア美術がその調和的・理想的形式を完成させた時代で,ペリクレスがアテナイの政権を手中に収めた頃からアレクサンドロス大王の没年ころまでをいう。クラシックclassicの呼名はラテン語のクラシクスclassicus(〈最上級の〉〈模範的な〉の意)から由来する(クラシクスは本来,クラシスclassis(ローマ市民の階級区分)における最上級層クラシキclassiciの形容詞形で,語意が転用されたもの)。この時代は一般には前5世紀後半の盛期クラシック(〈崇高な様式〉)と前4世紀の後期クラシック(〈優美な様式〉)とに区別される(この区別と命名はウィンケルマンによる)。…

※「クラシス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android