クリシュナー川(その他表記)Kṛṣṇā

改訂新版 世界大百科事典 「クリシュナー川」の意味・わかりやすい解説

クリシュナー[川]
Kṛṣṇā

インド半島の西ガーツ山脈に発し,デカン高原を東流してベンガル湾に注ぐ川。別名キストナKistna。延長1300km,流域総面積26万km2。南北両側にほぼ同規模の支流ビーマBhīma川およびトゥンガバドラーTungabhadrā川を有し,それらはカルナータカ,アーンドラ・プラデーシュ両州の境界付近で合流してから東ガーツ山脈を貫通し,ビジャヤワダから下流に広大な三角州を形成する。この三角州は北に隣接するゴーダーバリー川三角州とともに,1898年完成の大規模な用水路灌漑によってみごとな水田地帯となっている。中流部は年雨量500~600mmの半乾燥地帯であるが,幅広い沿岸平地は肥沃な黒色土からなり綿作に適している。さらに1947年の独立後,トゥンガバドラー,上部クリシュナー等の大規模灌漑計画や発電事業によって農業を中心とした経済的発展をとげている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクリシュナー川の言及

【アーンドラ・プラデーシュ[州]】より

…地形は,狭長な海岸平野,東ガーツ山脈の山塊群,デカン高原の楯状地の順に東から西に配列。海岸平野の西境はほぼ100mの等高線で,中央部にゴーダーバリー川とクリシュナー(キストナ)川の大デルタを抱く。そこは年降水量1000mm以上と多いうえに,河川灌漑の発達したインド有数の農業地帯であり,〈南インドの穀倉〉とよばれる。…

【デカン高原】より

…西ガーツ山脈は南方でニールギリ,カルダモン両丘陵となって地塊化し,ともに2000mを超す高地となっている。ここを水源としてゴーダーバリー,クリシュナー,カーベーリの諸河川が高原上を東流し,高原の東縁に継続的に連なる東ガーツ山脈(標高500~600m)を貫通してベンガル湾岸のコロマンデル海岸に流れ下る。高原が隆起する際,各地に東西方向の断裂が生じた。…

※「クリシュナー川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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