改訂新版 世界大百科事典 「ゴーダーバリー川」の意味・わかりやすい解説
ゴーダーバリー[川]
Godāvarī
インド半島中部の川。水源はムンバイー(旧ボンベイ)東方の西ガーツ山脈中にあり,デカン溶岩台地を開析しながら東流し,マハーラーシュトラ州南東隅においてナーグプル平原から南流してきた一大支流プラニタ川Pranhitaを合わせ,東ガーツ山脈のパピPapi丘陵に峡谷を刻み,ラージャムンドゥリRājahmundriから下流に三角州を形成する。延長1500km,流域面積31万km2。中・上流域は玄武岩由来の典型的な黒色土地帯であり,主食のジョワール(ソルガム)と商品作物の綿花を栽培しているが,一般に1人当り生産額は少ない。河口の三角州は1890年完成のゴーダーバリー・デルタ灌漑水路が網目状にはりめぐらされ,豊かな水田地帯となっている。ゴーダーバリー川はヒンドゥー教の聖河の一つである。
執筆者:藤原 健蔵
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