ゴーダーバリー川(その他表記)Godāvarī

改訂新版 世界大百科事典 「ゴーダーバリー川」の意味・わかりやすい解説

ゴーダーバリー[川]
Godāvarī

インド半島中部の川。水源ムンバイー(旧ボンベイ)東方の西ガーツ山脈中にあり,デカン溶岩台地を開析しながら東流し,マハーラーシュトラ州南東隅においてナーグプル平原から南流してきた一大支流プラニタ川Pranhitaを合わせ,東ガーツ山脈のパピPapi丘陵に峡谷を刻み,ラージャムンドゥリRājahmundriから下流に三角州を形成する。延長1500km,流域面積31万km2。中・上流域は玄武岩由来の典型的な黒色土地帯であり,主食のジョワール(ソルガム)と商品作物の綿花を栽培しているが,一般に1人当り生産額は少ない。河口の三角州は1890年完成のゴーダーバリー・デルタ灌漑水路が網目状にはりめぐらされ,豊かな水田地帯となっている。ゴーダーバリー川はヒンドゥー教の聖河の一つである。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のゴーダーバリー川の言及

【アーンドラ美術】より

…サータバーハナ朝(アーンドラ族)が関与した美術を指すこともあるが,一般的には南インド東海岸のクリシュナ,ゴーダーバリー両川の下流域のアーンドラĀndhra地方(現在のアーンドラ・プラデーシュ州の一部)の美術の総称として用いられている。この地方の造形活動は1世紀ごろ始まったと考えるのが有力で,北西デカンを支配していたサータバーハナ朝がこの地方に進出する2世紀前期から急速に仏教美術が興隆した。…

【アーンドラ・プラデーシュ[州]】より

…地形は,狭長な海岸平野,東ガーツ山脈の山塊群,デカン高原の楯状地の順に東から西に配列。海岸平野の西境はほぼ100mの等高線で,中央部にゴーダーバリー川とクリシュナー(キストナ)川の大デルタを抱く。そこは年降水量1000mm以上と多いうえに,河川灌漑の発達したインド有数の農業地帯であり,〈南インドの穀倉〉とよばれる。…

※「ゴーダーバリー川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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