日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリミア天文台」の意味・わかりやすい解説
クリミア天文台
くりみあてんもんだい
Крымская Астрофизическая Обсерватория/Krïmskaya Astrofizicheskaya Observatoriya
ウクライナの黒海に面したクリミア半島にある天文台。1948年設立。この地方は旧ソ連地域内では天候が安定し、もっとも南の空が観測できる場所である。1960年、当時世界第3位の口径260センチメートル反射望遠鏡が建設され、天体物理学的観測が推進された。このほかの装置としては、口径122センチメートルの反射望遠鏡や口径64センチメートルのマクストフ・カメラなど多数がある。1976年、カフカス山脈中のゼレンチュクスカヤに600センチメートルという世界一の口径をもつ望遠鏡が建設されたが、これはクリミア天文台の264センチメートル望遠鏡の経験が生かされている。
[磯部琇三 2015年5月19日]