クリュサフィウス(その他表記)Chrysaphius

改訂新版 世界大百科事典 「クリュサフィウス」の意味・わかりやすい解説

クリュサフィウス
Chrysaphius
生没年:?-450

テオドシウス2世治下の宦官。441年,時の実力者キュロスを失脚させ,皇姉プルケリアらの影響力排除にも成功した後,東ローマ政府で実権を振るう。フンに対しては貢納金支払いの策をとったが,449年アッティラ王暗殺をたくらむ。計画は露見したが,すでに西方へ関心を移していたアッティラは,翌年和議に同意した。宗教問題では単性論のエウテュケスを支持し,449年皇帝を動かしてエフェソスに公会議を開かせ,エウテュケスの説を正統と認めさせた(盗賊教会会議)。これらの諸政策はプルケリアやコンスタンティノープル元老院,また教皇レオ1世の憤激を招き,450年に即位したマルキアヌス帝は彼を処刑させた。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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