正統(読み)セイトウ

デジタル大辞泉 「正統」の意味・読み・例文・類語

せい‐とう【正統】

正しい系統・血筋。嫡流。「源氏正統
創始者の教え・学説・思想などを正しく受け継いでいること。「保守正統を自認する」
その時代、その社会で最も妥当とされる思想や立場。「戦争中正統とされた思想」
[類語]嫡流直系正しい正格正則正調本式本格的正規正式公式格調格式品格品位風格おおやけ公的本物儀礼礼法礼式礼儀風儀作法よそ行き格式張る折り目正しいフォーマル本格本筋まっとう正道本道本流主流中正至当合理的合法的押しも押されもせぬれっきとちゃんとまとも道理道理至極腰を入れる本腰本腰を入れるレギュラーオーソドックスプロパー模範的象徴的代表的典型的標準的ティピカル模範手本規範モデル典型亀鑑規矩きく規矩きく準縄規則決まり定め規定規律ルールおきて文範見本かがみ範例標本サンプル雛形ひながた書式好例適例スタンダードフォーマット王道師表基準規準り所類型定型様式化スタイル正統派折り紙付き太鼓判をパーフェクト非の打ち所が無い完璧万全完全無欠傑出大出来紋切り型腐ってもたい

しょう‐とう〔シヤウ‐〕【正統】

せいとう(正統)」に同じ。
「頼政卿は、…源氏嫡嫡の―」〈平家・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「正統」の意味・読み・例文・類語

せい‐とう【正統】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 正しい系統。正当の血筋。嫡流。しょうとう。
    1. [初出の実例]「漢の正統と思ふた也」(出典:中華若木詩抄(1520頃)上)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐崔瑗伝〕
  3. 正しいすじみち。まともであること。
    1. [初出の実例]「姥の面皮に似たるをもって、うばというのが正統の名だ」(出典:湯葉(1960)〈芝木好子〉)
    2. [その他の文献]〔欧陽脩‐正統論上〕

しょう‐とうシャウ‥【正統】

  1. 〘 名詞 〙 正しい系統。正当の血筋。嫡流(ちゃくりゅう)。せいとう。
    1. [初出の実例]「頼政卿は六孫王より以降(このかた)、源氏嫡々の正棟(シャウトウ)」(出典:高野本平家(13C前)一)
    2. 「天孫氏二十五代一万七千八百二年の正統(セウトウ)、ここに断絶す」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)続)

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普及版 字通 「正統」の読み・字形・画数・意味

【正統】せいとう

正しい系統。漢・班固〔典引〕蓋(けだ)し以て當天の正統に膺(あた)り、克讓の歸を受く。炎上の烈火徳)をへ、孔佐の弘陳を(つつ)むと爾(しか)云ふ。洋洋乎たり(かくのごと)きの上儀なり。

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世界大百科事典(旧版)内の正統の言及

【イスラム】より

…他方シーア派の信者は,全ムスリム人口の10分の1を占めると推定され,イラン,イラク,パキスタン,レバノン南部に多く住み,その大多数は,サファビー朝(1501‐1736)によって国教とされた十二イマーム派に属する。 欧米でも日本でも,スンナ派はしばしば正統派と訳され,これに対してハワーリジュ派,シーア派は異端とみなされる傾向にある。しかし両者の関係は,キリスト教における正統と異端とは本質的に異なる。…

【異端】より

…ギリシア語hairesisに由来し〈分派〉を意味する語であるが,通常は特定の教義を信奉・標榜する団体において,正統教説に対立して,断罪・排除される立場,もしくはその主張者をさす。したがって,異端は,正統orthodoxyの対立物として定義されるかたわら,ことなった教義にもとづく敵対物たる異教とは区別される。…

【チェスタートン】より

…さらに詩,劇,小説,批評などにも,彼らに匹敵する警抜な着想と逆説的な筆法で縦横の活躍を示した。評論では彼のカトリック的な宗教観,政治観,社会観を説いた《異端》(1905),《正統》(1906)などがとくに有名であるが,この後も《ローマの復活》(1930)など晩年に至るまで論争的評論を数多く書いている。また小説でも,カトリックの司祭を探偵にして人気を博した〈ブラウン神父〉ものの連作(1911,14,26,27,35)や《ノッティング・ヒルのナポレオン》(1904)や《ドン・キホーテの帰還》(1922)などがあるほか,詩集では《白馬のバラッド》(1911)が有名。…

※「正統」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」