クレアチオ・エクス・ニヒロ(その他表記)creatio ex nihilo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

クレアチオ・エクス・ニヒロ
creatio ex nihilo

虚無からの創造」と訳される。ユダヤ教キリスト教の基本教義。古代哲学は無からは何物も作られないとの根本に立っており,その宇宙開闢説では創造に先立ってカオスが存在したとされていた。『創世記冒頭にあるように,ユダヤ教,キリスト教の神は初めに天と地をつくり,そこで地はカオスの姿で現れるのであり,神の創造に先立つものは何もない。ウルガタ訳聖書が creareの語で訳した「創造」の意味するところは,無から何かをつくりだすことであり,その意味ではエクス・ニヒロは冗語である。人間には創造はできないといわれる場合もこのような意味である。そこでいう虚無が質料的無であることはまちがいないが,形相的意味を含むかどうかが問題になる。被造物の本質,形相は永遠の昔より神 (第二位の御子) のなかに含まれていたとされるから,形相的にも無から世界が創造されたとはいえない。神が真理をも決定したとする永遠真理創造説 (デカルト) に立てば,形相を含めて世界は無から創造されたことになる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む