精選版 日本国語大辞典 「虚無」の意味・読み・例文・類語
きょ‐む【虚無】
〘名〙 (古くは「きょぶ」か。→きょぶ)
① 何もなくむなしいこと。空虚であること。空(くう)。皆無(かいむ)。
※神皇正統記(1339‐43)上「其の末を学びて源を明めざれば、ことにのぞみて覚えざる過(あやまち)あり。其源と云ふは、心に一物をたくはへざるを云ふ。しかも虚無の中に留るべからず」
② 心にわだかまりがないこと。何物にもとらわれず虚心であること。
※全九集(1566頃)一「神を養ふとは〈略〉諸事をすてて恬澹虚無にして、真をまったうするをいふなり」 〔荘子‐刻意〕
※文華秀麗集(818)下・江上船〈嵯峨天皇〉「一道長江通二千里一。漫々流水漾二行船一。風帆遠没虚無裡。疑是仙査欲上レ天」 〔司馬相如‐大人賦〕
⑥ ⇒こむ(虚無)
こ‐む【虚無】
※教行信証(1224)五「又解脱者名曰二虚无一。虚无即是解脱」
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