クレチン症(読み)くれちんしょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレチン症」の意味・わかりやすい解説

クレチン症
くれちんしょう

先天性甲状腺(せん)機能低下症で、放置すれば知的障害を伴う低身長症となる。新生児期または乳児期以来、甲状腺の機能が低下している状態で、このなかには甲状腺欠損または形成不全によるものや甲状腺ホルモン合成障害によるものなどがある。新生児期には黄疸(おうだん)の遷延、不活発、蒼白(そうはく)、筋緊張の低下、低体温などがみられ、成長発育障害のため四肢短小、骨の発育遅延とともに知能障害を示す。治療時期が早いほど効果が大で、早期発見が望まれる。甲状腺ホルモンの投与で劇的に改善されることが多い。

[坂上正道]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android