クレディ・モビリエ事件(読み)クレディ・モビリエじけん(英語表記)Crédit Mobilier

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレディ・モビリエ事件」の意味・わかりやすい解説

クレディ・モビリエ事件
クレディ・モビリエじけん
Crédit Mobilier

アメリカ南北戦争後の U.グラント大統領時代の腐敗政治と 19世紀アメリカの鉄道建設をめぐる不正を象徴する代表的汚職事件。 1872年にニューヨークサン』紙によって暴露された。クレディ・モビリエはユニオン・パシフィック鉄道の建設会社として,連邦政府によるローンと土地下付の特権を悪用して巨額の金 (2300万ドルといわれる) を着服した。連邦下院議員 O.エイムズが同社の不正調査をもみ消そうと幾人かの議員に同社の株をばらまいたため,連邦下院はこの汚職事件を調査してエイムズ一派を譴責したが,副大統領 S.コールファクスを含む関係者は赦免された。

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