日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロイワゼミ」の意味・わかりやすい解説 クロイワゼミくろいわぜみ / 黒岩蝉[学] Baeturia kuroiwae 昆虫綱半翅目(はんしもく)同翅亜目セミ科Cicadidaeに属する昆虫。体は細長く、体長18~23ミリメートル。体は黄緑色で、腹面は橙(だいだい)色を帯びる美しいセミである。はねは透明で、脈は黄緑色。和名は発見者の姓に由来する。沖縄本島だけに分布し、産地は局所的。6月に出現し、小枝や葉に止まって午後7時過ぎから30分間ぐらいだけ、チュ、チュ、……とかわいらしい声で鳴く。日中は葉上などに静止する。系統的にも特異な種で、台湾、中国をはじめとして、沖縄本島以外の地域からは近縁なものさえ知られていない。[林 正美] クロイワゼミ〔標本画〕 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
百科事典マイペディア 「クロイワゼミ」の意味・わかりやすい解説 クロイワゼミ 半翅(はんし)目セミ科の1種で日本固有種。沖縄島と久米島に分布するが,生息場所は局限される。1ヵ所の生息範囲がふつう非常に狭く,減少の危険がある。絶滅危惧II類(環境省第4次レッドリスト)。 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報