家庭医学館 「クローン病の栄養療法」の解説
くろーんびょうのえいようりょうほう【クローン病の栄養療法】
経腸栄養法と静脈栄養法があります。
経腸栄養法(けいちょうえいようほう) 経口摂取ができない場合に、チューブを通して胃や腸に直接、栄養剤(成分栄養剤)を注入します。
原則として、入院して行なわれ、少量より開始し、一定量(維持量)まで増やしていきます。
成分栄養剤とは、すべての栄養成分が化学的に素性の明らかなものだけから構成されている高エネルギー、高窒素の合成栄養剤です。消化を必要とせず、残渣(ざんさ)もないので、腸管の安静を保ちながら十分な高エネルギー・栄養補給が可能です。
静脈栄養法(じょうみゃくえいようほう) 経腸栄養法がどうしても不可能な場合や腸管を一時的に休めなければならない治療時に用いられます。
高濃度の栄養輸液(高張ぶどう糖、アミノ酸液)を、上大静脈にカテーテルを留置して使用するのが、中心静脈栄養法(完全静脈栄養法)です。
クローン病では、高度な狭窄(きょうさく)がある場合や広範囲な小腸病変が存在する場合、経腸栄養法ができない場合に、完全静脈栄養法が行なわれます。