カテーテル(読み)かてーてる(英語表記)Katheter ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カテーテル」の意味・わかりやすい解説

カテーテル
かてーてる
Katheter ドイツ語

体腔(たいくう)または器官の内容液を排出するために用いる管で、金属性のものや、ゴムシリコン樹脂などでつくられた柔軟性のものがある。なお、液体ばかりでなく気体の排出にも使われるし、体内に薬物などを注入するためにも用いられる。

 カテーテルは使用目的によって形や太さが異なる。ガス(おなら)を排出する目的で肛門(こうもん)から入れるものは太く、胃液採取や排出に用いるものは、うどんくらいの太さである。胆管カテーテルも、ほぼ同じくらいの太さである。また、血管内に造影剤薬剤を注入する目的で用いるものは、目的に応じて先端が曲がっており、太さもいろいろある。

 導尿の目的で尿道に入れるものにも、いろいろくふうされたものがある。もっとも一般的なのは、ゴムやシリコン樹脂などでつくられた先端が鋭くないネラトン・カテーテルである。バルーンまたはフォーレイ・カテーテルは、長時間の留置を目的としているため、先端近くに風船状に膨らませる部分がつくられている。チーマン・カテーテルは、尿道前立腺(せん)部を容易に通過させるため、先端はやや硬質で上を向いている。このほか、止血用、女子用、小児用、洗浄用など各種のカテーテルがある。

[河村信夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カテーテル」の意味・わかりやすい解説

カテーテル
catheter

医療器具。プラスチック,ゴム,金属などでつくられた細い管で,体腔 (胸腔腹腔) や体内の器官 (胃,腸,尿道,膀胱尿管,心臓,血管) などに挿入し,内容の排出,採取,薬液や造影剤の注入,圧力測定などのために用いられる。用途によって太さや長さは種々ある。カテーテルを用いた検査・治療法として,心臓カテーテル法,肝臓カテーテル法などがある。

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