日本大百科全書(ニッポニカ) 「クンツェビチョバ」の意味・わかりやすい解説
クンツェビチョバ
くんつぇびちょば
Maria Kuncewiczowa
(1899―1989)
ポーランドの女性作家。フランスのナンシー、ポーランドのクラクフ、ワルシャワの各大学で言語・文学を学び、第二次世界大戦中にフランスを経てロンドンに移り、戦後アメリカに渡り、シカゴ大学で教鞭(きょうべん)をとった。ポーランド人としての豊富な生活体験のなかから、人間の心理を伝統的な手法で繊細に解明している。1973年帰国。代表作にポーランド初のラジオ小説『コバルスキ夫妻の平日』(1938)や『異国の女』(1948)、『森番』(1957)、『オリーブの林』(1961)、『トリスタン46』(1967)などがある。
[吉上昭三・長谷見一雄]