クールトリーヌ(読み)くーるとりーぬ(その他表記)Georges Courteline

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クールトリーヌ」の意味・わかりやすい解説

クールトリーヌ
くーるとりーぬ
Georges Courteline
(1858―1929)

フランスの喜劇作家。本名ジョルジュ・モアノー。ユーモア作家を父として6月15日トゥールに生まれる。騎兵隊体験を題材にした『リドアール』(1891)など数編の一幕物でデビュー。とりわけアントアーヌが自由劇場で上演した、あるナイーブな男をめぐる浮気のドラマ『ブーブロッシュ』(1893)が大当り、以来彼はポルト・リッシュと並んで世紀末、新しい風俗喜劇のチャンピオンとなった。当時の軍人官吏など小市民の風俗を正確な観察眼でとらえ、ペーソスと滑稽(こっけい)味に包み、簡潔な筆致で差し出す腕前はみごとで、小モリエールとよばれたのはうなずける。ほかに『真面目(まじめ)な客』(1897)、『署長さんはお人よし』(1899)、『わが家の平和』(1903)などが代表作。1928年アカデミー・ゴンクール会員に選ばれたが、翌年6月25日パリで没した。

渡辺 淳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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