一幕劇ともいう。通常は,単一の劇的行動を扱い,場面が変化せず,休憩なしに上演される比較的短い劇を指すが,これらはいずれも絶対条件ではない。例えばギリシア悲劇やシェークスピア劇は休憩なしに演じられ,相当の長さをもち,ことに後者は複合的な劇的行動を扱うので,一幕物とは呼ばれない。他方,いわゆる一幕物の中にも場面の転換を含むものがある。普通に一幕物と呼ばれるのは近代以後の産物で,空間を限定し,連続した時間のうちに現実の断片を提示しようとするもので,多幕物のもつ規模を欠くかわりに,劇的緊張や密度において優れる。A.P.チェーホフ,J.A.ストリンドベリ,G.B.ショー,J.M.シング,E.G.オニール,T.ウィリアムズなどの作品がその例である。E.イヨネスコやS.ベケットなど,いわゆる不条理劇の作家にも一幕物が多いが,これは多幕物に不可欠な因果律によって成り立つプロットを組み立てにくいためである。
執筆者:喜志 哲雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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