一幕物(読み)ひとまくもの(英語表記)one-act play

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一幕物
ひとまくもの
one-act play

戯曲の一種で,幕間なしで演じられるものをいう。いくつかの場面に分れていることもあるが,普通は同じ場面で連続して起る事件を扱い,その構成も比較的単純である。時間と空間の枠を厳密に定める近代劇が確立してから,特に明らかになった概念。シェークスピアなどはもともと幕間なしに演じられてはいたが,時間や空間の飛躍を多く含むので一幕物とは呼ばない。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひとまくもの【一幕物 one‐act play】

一幕劇ともいう。通常は,単一の劇的行動を扱い,場面が変化せず,休憩なしに上演される比較的短い劇を指すが,これらはいずれも絶対条件ではない。例えばギリシア悲劇やシェークスピア劇は休憩なしに演じられ,相当の長さをもち,ことに後者は複合的な劇的行動を扱うので,一幕物とは呼ばれない。他方,いわゆる一幕物の中にも場面の転換を含むものがある。普通に一幕物と呼ばれるのは近代以後の産物で,空間を限定し,連続した時間のうちに現実の断片を提示しようとするもので,多幕物のもつ規模を欠くかわりに,劇的緊張や密度において優れる。

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大辞林 第三版の解説

ひとまくもの【一幕物】

一幕で構成された戯曲。また、その劇。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ひとまく‐もの【一幕物】

〘名〙 演劇形式の一つ。一幕で完結している戯曲・演劇。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉六「余り長たらしくて毒悪なのはよくないと思って、一幕物にして置いた」

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