岩石学辞典 「グラノファイアー組織」の解説 グラノファイアー組織 石英とアルカリ長石の微文象連晶(micrographic intergrowth)の一種で,微文象組織に比べて大まかな放射状で,あまり規則的ではない.微文象組織よりも丸い突起物に富んでいる.グラフィック組織またはマイクロペグマタイト組織と同じで石英と長石が三次元的に入り組んだ組織である.この組織に関しては,他の岩石の組織と関連して昔から多くの研究者による様々な提案がある.フォーゲルサングは文象斑岩(granophyrite)の組織として提案し[Vogelsang : 1872],ローゼンブッシュは微文象組織をマイクロペグマティティック(micropegmatitic)や微文象(micrographic)組織に使用した[Rosenbusch : 1877].ロッセンはローゼンブッシュの微文象組織の代わりにペグマトフィリック(pegmatophyric)を提案し[Lossen : 1889],クロスたちはこの語をグラノファイア(granophyre)またはグラフィファイア(graphiphyre)として提案している[Cross, et al. : 1906].ボウズたちはこの語をある鉱物と他の鉱物の連晶として用い,一般に糸状,パッチ状,泡状の石英が長石の基質中にあるもので,微文象(micrographic)は規則的な古代文字のような形の連晶を示す点で異なるとしている[Bowes : 1989]. 出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報