改訂新版 世界大百科事典 「グレートダイク」の意味・わかりやすい解説
グレートダイク
Great Dyke
アフリカ南東部,ジンバブウェにある始生代の塩基性層状貫入岩体。幅3~12km,北北東~南南西方向に480km延長し,地質図上ではあたかも巨大な岩脈(ダイク)にみえるのでこの名がある。大規模な地溝状凹地に,塩基性マグマが逬入してきたもので,全体としてボート状の構造をもつ。すなわち横幅方向では,東および西から中央部へ向かって岩体が厚くなり,また縦延長方向でも,北および南から中央部へ向かって岩体が厚くなる。グレートダイクに貫かれているのは始生代の花コウ岩,片麻岩,緑色岩である。グレートダイクに相伴ってほとんど平行に,同時期の衛星ダイクが存在する。グレートダイクの厚さは最大3000mで,超塩基性岩,塩基性岩からなり,大規模なクロム鉄鉱鉱床を伴う。放射年代は24.7億年前。
執筆者:諏訪 兼位
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報